設題例
ロースティンの主張を述べ、これに関連して今日のレファレンスサービスのあり方を自分の考えとともに述べよ。
設題の要求
- ロースティンの主張の正確な提示
- ロースティンの主張を現代に当てはめて評価
- それに基づく今日のレファレンスサービスのあり方(自分の考え)
回答の型:「概念の提示+論述」のテーマ論述型
導入(レファレンスサービスの定義・現代的背景・論述の予告)
→ 概念の提示(ロースティンの自由理論)
→ 論述(ロースティンの有効性・限界と、今日のレファレンスサービスのあり方)
ロースティンを説明する問題ではなく、ロースティンを使って考える問題
回答例
導入
後の論理展開のために、現代におけるレファレンスサービスの役割に言及
図書館におけるレファレンスサービスとは、利用者の質問に対して、図書館資料やデータベースなどの外部資料を参照し、典拠のある情報を提供する活動である。あふれる情報の中から適切なものを選び取る力が重要とされる現代社会において、レファレンスサービスは利用者の情報探索を支援する人的サービスとして大きな役割を担っている。
本稿では、ロースティンの主張を中心に、保守理論との対比を通じて今日のレファレンスサービスのあるべき姿を考察する。
ロースティンの主張と保守理論
ロースティンの主張(自由理論)と、保守理論の補足的な説明
サミュエル・ロースティンは、図書館員のほうが情報をよりよく求めることができるという信頼に基づいて、「利用者にとっては情報を入手する方法を学ぶよりも、情報そのものを入手することのほうがより重要」であり、「図書館員が情報を提供し援助するほうが、より経済的であり、価値がある」と主張した。これは、利用者が求めているのは示唆ではなくサービスであるという考えのもと、利用者が調査・研究のための情報を速やかに入手できるように、図書館員が検索や情報提供を積極的に行う自由理論の立場である。
これに対して保守理論は、図書館員は利用者の教育的・指導的機能を重視し、利用者が自立して情報を探索できるように支援すべきだとする立場である。図書館員は回答や情報そのものを提供するのではなく、必要な情報を含む情報源を示すにとどめる。研究や調査の主体はあくまで利用者であると考え、図書館員と利用者の役割を明確に区別する点が特徴である。
今日のレファレンスサービスのあるべき姿
ロースティンの主張が現代社会の中でどう機能するかを検証し、その有効性と限界を明らかにし、それを受けてどうあるべきかを論じる
ロースティンの考えは、図書館員の専門性を認めるものであり、ランガナタンの五法則の一つである「読者の時間を節約せよ」にも合致する。現代社会においては、インターネットを中心に情報が氾濫し、偽・誤情報に関する問題も顕在化している。そのため、情報の信頼性を判断し、適切な情報を選択できる図書館員による情報提供の重要性は、むしろ高まっているといえる。
しかしながら、ロースティンの主張には、情報探索を図書館員に依存させることや、利用者が情報探索の技術を習得する機会が失われる可能性があるという課題も指摘できる。このような点を踏まえると、必要な情報を主体的に選び取る能力は、調査研究に限らず日常生活においても不可欠である。したがって、情報の信頼性を評価する視点や情報の正確性を担保する方法を示すなど、利用者の情報リテラシーの向上を支援することが重要となる。こうした支援は、利用者の自立を重視する保守理論の考え方に通じるものである。
以上のことから、ロースティンの示した図書館員の専門性の活用を基盤としつつ、状況に応じて保守理論の視点を取り入れる姿勢が、今日のレファレンスサービスには求められている。


