設題例
読み聞かせに適した絵本を1冊紹介し、その本を用いた読み聞かせの手順を具体的に説明せよ。あわせて対象者(保護者除く)、目的、役割、効果、課題を述べよ。教科書の単なる転記は不可。
設題の要求
- 読み聞かせに適した絵本の選定
- 読み聞かせの具体的手順の説明
- 読み聞かせの対象者、目的、役割、効果、課題を述べる
ただし答案としては、次のカテゴリにまとめると書きやすくなります
- 読み聞かせの前提を設定(対象・場面・資料)
- 読み聞かせの内容を具体化(方法・手順)
- 教育的意義を説明(目的・役割・効果)
- 実施上の課題を示す
回答の型:「絵本の選定+意義+課題+まとめ」の実践設定型
絵本の選定とその理由 → その本を読み聞かせることの意義 → 具体的手順と課題 → まとめ
回答例
絵本の選定とその理由
読み聞かせとは、人に本を読んで語ることである。お話を聞く相手に喜んでもらうためには、目的を明確にし、事前準備をして臨むことが重要である。本稿では、小学校低学年の児童のある学級での読み聞かせ「王さまと九人のきょうだい」(君島久子訳、赤羽末吉絵)について述べる。
対象者・目的・選書理由
対象者は小学校低学年である。この時期は学校生活で友人関係や協力の学びが大切な時期である。そこで、「個性を認め合うこと」と「協力して課題を乗り越えること」を伝える目的で、「王さまと九人のきょうだい」を選定した。本書は兄弟たちがそれぞれの特技を活かし協力する物語であり、目的に合致している。
対象者への読み聞かせの効果とその役割
本書を用いた読み聞かせには、低学年の発達段階に応じて、子どもの社会性や道徳心を育む効果がある。子どもは冒険や探検、民話を通じてさまざまな体験を疑似的に味わい、想像力や価値観を広げることができる。読み手はその効果を引き出す舞台装置であり、声の抑揚や間、絵の見せ方によって子どもを物語世界に誘い込む役割を担う。
読み聞かせの手順と課題
読み聞かせでは、事前に下読みを行い、間やテンポ、強調する部分を確認する。初めの挨拶で子どもの注意を向け、繰り返しの場面では声のトーンや速さを変えて飽きさせない。特に九人目の活躍から結末まではテンポを上げ、最後は落ち着いたトーンで余韻を味わわせる。読み聞かせ後には子ども同士で感想を共有し、感じ方の違いを通して社会性を育む。
読み手の課題としては、10分以上の長い物語のため集中力を維持する工夫が必要である。また、九人の兄弟の名前と試練を分かりやすく提示し、活躍を際立たせる必要がある。試練が厳しい場面では、子どもが怖がっている様子に応じて淡々と読み進めるなど、臨機応変な対応も求められる。
まとめ
低学年の子どもは読み聞かせを通じて、物語を安全に体験し、社会性や道徳心を育むことができる。読み手は十分な準備を行い、声や間、絵の見せ方を工夫して、子どもの想像力や感受性を広げる役割を果たす必要がある。

